そもそも「ツボ」とは?

東洋医学では人の身体は「気」(人間の身体を動かす根源のエネルギー、生きることの原動力)、「血」(全身に酸素や栄養を運んだり、ホルモンバランスの調整を行う)、「水」(唾液、胃液、涙、汗、尿など血液以外の体液)の3つの要素によって成り立っていると考えられています。これらの3つが、それぞれの役割を果たし、体内をスムーズに巡っている状態が、理想のバランスとされています。「気・血・水」のどれかが不足したり、流れが滞ったりすると、不調の原因になります。

その中で「気」の状態があらわれるのが「ツボ」です。ツボは、人の身体に張り巡らされている「経絡」上にある「気」の出入口「経穴」のこと。ツボを押すと気持ちいいし、身体が軽くなったような感じがしますよね。これはツボに刺激を与えると、経絡を巡る「気」の流れが調整され、治癒力や免疫力が高まるから。その効果は世界的に認められており、WHO(世界保健機関)においても医学的有効性が認められています。人体にあるツボの数は現在、代表的なもので361穴あるとされています。

尿トラブルをツボ押しで改善!

頻尿やUI(尿もれ)の悩みは、誰にでも起こりうるもの。これらのつらい症状は、ツボ押しによるセルフケアで緩和させることができます。 鍼灸ヘルスケア プラステン治療院 院長 加藤 浩一さんに、よく効くツボを4つ挙げていただきました。

【中髎(ちゅうりょう)】

お尻の骨(仙骨)には図のように4つの穴が空いています。その穴の上から3つ目に取ります。

中髎穴は、膀胱容量を増加させて排尿回数を減らし、頻尿やUI(尿もれ)を改善します。

【膀胱愈(ぼうこうゆ)】

骨盤の上に手を当て、親指で図の▲印のグリグリとした骨を探し、その骨の内側に取ります。

膀胱兪穴は、膀胱の働きを活発にして冷えを解消し、頻尿や尿もれ(UI)を改善します。

【腎兪(じんゆ)】

ウエストの一番くびれたラインに図のように手を当て、親指が当たるところを取ります。

腎兪穴は、体力を補い、腎臓機能の回復を促します。

【三陰交(さんいんこう)】

内くるぶしの頂点から小指から人差し指の4本を図のように添えます。人差し指の上で、すねの骨ぎわに取ります。

ツボの押し方

グリグリと押し、ズーンと響くところが三陰交です。気・血・水のバランスを整えます。

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それぞれ親指でツボをグーと押し3秒間キープ×5回を1セットとします。「気持ちいい」と感じるぐらいの強さで押しましょう。あまり強く押すと、かえって逆効果になります。朝晩1セットずつ行うのが理想的ですが、夜1回でも構いません。心身ともにリラックスした状態で行い、食前・食後は避けるようにしましょう。無理せず、毎日続けることが大切です。

お風呂から上がる直前、「仙骨」(脊柱の下方にある三角形の骨)に湯船の温度より1~2℃高いお湯をシャワーで30秒間当てると、身体がポカポカに! ツボ押しとともに行えばより効果的です。

まとめ

頻尿やUI(尿もれ)のつらい症状を少しでも軽減するために、日々の生活に取り入れたい東洋医学のセルフケア。「ぐっすり眠りたい」「頻尿を気にせず旅行へいきたい」……そんな願いが叶うようツボ押しで症状を改善していきましょう。また、ふだんの生活でUI(尿もれ)が気になる場合は、専用品でのケアがおすすめです。ウィスパーなら、少量のもれから多量のもれまで、個々の症状に合った製品が揃っています。

尿トラブルの原因は様々。なかには重大な疾患が隠れている場合がありますので、気になる症状があれば早めに専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

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(プロフィール)

鍼灸ヘルスケア プラステン治療院 院長 加藤 浩一

過活動膀胱鍼灸治療 一般鍼灸治療 1964年生まれ、瀬戸市出身。東京の大手衛生材料メーカーに在籍中に鍼灸の世界と出会う。その後、鍼灸師養成専門学校を卒業し、はり師、きゅう師の国家資格を取得。研修先の鍼灸院で過活動膀胱鍼灸治療の第一人者に師事。2017年6月愛知県瀬戸市にプラステン治療院を開院。現在に至る。

鍼灸ヘルスケア プラステン治療院 愛知県瀬戸市井戸金町242-1 https://www.plusten.jp TEL:0561-76-1549