そのだ体育道場健康教室にて60歳以上の女性15人の生徒たちを指導。体操教室では、転倒しないための下半身強化や尿もれ改善体操を行っています。体の柔らかさや足の上がり、84歳と思えない若々しさに取材陣も驚き。多くの女性たちがいつまでも健康で、毎日を自分らしく楽しむことをテーマにし、生活の中でできる健康体操を広めています。

体操教室をはじめたきっかけは?

幼い頃からクラシックバレエをしていました。その経験を活かして、これまでクラシックバレエ、ジャズダンス、エアロビクスの指導を行っていたんです。45歳になった頃、兵庫県尼崎市の教育委員会の方と知り合い、兵庫県尼崎市の体育指導員の要請を受けることになり、それがきっかけになってこの体操教室につながっています。 体育指導員の活動は、軽スポーツをとおして体力づくりをサポートするのが目的です。そのためにオリンピックに出場した体操選手から正しいウォーキングや指導方法の手ほどきを受けるほか、水泳やスキーなどの基礎を学び、日本レクリエーション協会の資格も取得しましたね。地域の公園に出向き、フリーテニス、インディアカ、バドミントン、グランドゴルフ、ペタンクなど色々と取り組みました。体育指導員になって2、3年後、尼崎市に6カ所ある保健所から高齢者向けの体操の指導要請を受け、体操教室をスタートしました。

体操教室の目的を聞かせてください。

体操教室は、高齢者の健康な体力づくりと生活習慣をよりよく改善することを目的にしています。体操の内容は、これまでの経験から考えた健康体操です。だれもが身近にしているラジオ体操をベースにしたものですね。円を描くように広がり、私のかけ声に合わせて体操を行います。体操教室の時間は60分。参加者のみなさんの表情に目を配りながら指導を行い、体力に応じた有効な動きを取り入れ、家庭内での転倒を防ぐための下半身強化をはじめ、膝の痛みや腰痛、肩こりの緩和・解消につながる構成にしています。小休止をはさんで健康状態や悩みに耳を傾け、その改善策にもつながる体操を取り入れるようにも心がけていますよ。

先生の体操に対するこだわりは?

幼い頃から養ったクラシックバレエの基礎を活かして、体幹を強くし、ムダな動きのない、きれいな姿勢をつくる「美しい体操」を心がけています。栄養士としても活動していますので、美しい筋肉と適度な脂肪のある健康的な身体づくりをサポートしていきたい。それに、高齢になると、UI(尿もれ)をはじめ、室内のつまずきによるケガや認知症など、様々な障害で暮らしが不自由になりがちです。自分らしく生きていくには、適度な運動を継続し、健康的な身体を保つための生活習慣が何よりも大切。生活をよりよくし、毎日をいきいきと楽しむお手伝いを、私はこれからも続けていきますよ。

UI(尿もれ)について、どう思いますか?

生徒さんの中にはUI(尿もれ)経験者もいます。UI(尿もれ)は、幅広い年代の方に見られる症状で、大きな声を出したり、大笑いをしたり、くしゃみや飛び跳ねた時などに漏れる方もおられます。おうちでお子さんと遊んでいる時や、友人たちとのバスの旅行での体験を聞いたことがありますね。それに、私も富士山のトレッキングがメインのバス旅行を計画したことがあって、尿もれしたらどうしようと悩んだことがあるんです。バスのトイレ休憩は2時間おき。娘に不安を打ち明けてみると、吸水ケア製品をすすめられました。履き心地も肌触りも思ったよりもソフトで快適でした。始めは、おしっこのタイミングや量に戸惑いましたけど、娘が色々と教えてくれました。今振り返ると、娘からのアドバイスのお陰で不安を抱えずに旅行ができて、なによりも身近に相談できる存在がいて心強く感じたことを思い出します。UI(尿もれ)になると、だれに相談していいのか分からない方も多い。この体操教室をとおしてUI(尿もれ)で悩む方の相談にのり、吸水ケア製品選びの手助けもしています。

UI(尿もれ)の改善は期待できますか?

健康体操は、下半身強化に加えてUI(尿もれ)対策も目的のひとつ。UI(尿もれ)は、腹圧がかかることも1つの原因です。骨盤底筋の筋力低下によるものですから、そのトレーニングとして寝転んで腰を浮かす簡単な体操を流れの中に取り入れています。内股の引き締めを同時に行い、肛門の括約筋を締めることで腹筋にも作用し、UI(尿もれ)改善が期待できます。トレーニングといっても、座ったままの姿勢で取り組むことができる手軽なもの。家に居ても、電車で腰掛けていてもできる、日常に取り入れやすい「ながら体操」ですね。例えば、トイレの時に立ち座りを10回ほどやってみる。1日に8回のトイレに行くとすると80回のスクワットをしたことになるでしょ。決して難しいことではなく、短い時間で手軽に。ながら体操を生活中に取り入れることが大切なんです。参加者の中にはUI(尿もれ)で悩んでいて、その症状を改善できたと喜んでくれた方も大勢いますよ。

みなさんもUI(尿もれ)の改善と健康な体力づくりのために、ぜひ日常に体操を取り入れてみてはいかがでしょうか?