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【連載企画④】

日本のウロギネ専門医
野村博士によるUI講座

日常生活の中で
簡単にできる
セルフケアのポイント

※「UI」とは、「Urinary Incontinence(カタカナ表記:ユリナリー インコンチネンス)」の略語で、「尿失禁(尿もれ)」を意味する用語です。 P&Gでは、「尿もれ」に対する理解が深まり、適切なケア方法がより多くの人に広まることを願い、「UI(尿もれ)」啓発活動にも努めてまいります。

組み合わせることで改善アップ。
トレーニング、吸水ケア製品の使用、専門家への受診も

前回はUI改善のための、自宅でも簡単にできるトレーニングをお伝えしました。そこで今回は、UI(尿もれ)を予防し、快適に過ごすための生活習慣やUI(尿もれ)改善の方法についてお伝えしていきます。

アルコールやカフェイン、人工甘味料が頻尿の原因に

UI(尿もれ)に直結する頻尿を招くものには、アルコールやカフェイン、人工甘味料入りの飲料などがあります。シルバーウイークなど秋休みのお出掛けで行楽地に行くと、景色を楽しみながら、お酒やコーヒーなどのカフェインを楽しむ人もいるでしょう。しかし、利尿作用のあるこれらの飲み物は膀胱を刺激するため、頻尿につながるおそれもあるので注意しましょう。 また、飲み物では特に、エナジードリンクにはカフェインも人工甘味料も多く含まれています。日常的に飲んでいる人は、飲む量を減らすこともUI(尿もれ)対策につながります。お水や白湯(さゆ)などで適度な水分を取るのが理想ですね。

カフェインも人工甘味料が多い飲み物

肥満、便秘を防ぐ生活習慣がUI(尿もれ)の改善に

また、自宅でのんびりとStayHome時間を過ごす人やテレワークや在宅勤務で自宅にいる時間が長い人は、運動不足に気をつけましょう。運動不足は、尿道を締める役割をする骨盤底筋が弱ることにつながり、「腹圧性尿失禁」の症状の進行を促しかねません。 せっかくのスポーツの秋。運動しやすい気候にもなってくる秋ですので、この機会にしっかりと感染対策を取りながら、軽い運動や手軽なスポーツを始めてみるのもいいかもしれませんよ。

また、「腹圧性尿失禁」膀胱に腹圧がかかって起こるUI(尿もれ)なので、肥満にも気をつけたいですね。糖質が多く含まれる穀類やイモの食べ過ぎに注意し、秋野菜などの糖質の少ない野菜や豆製品などを積極的に食べるようにしましょう。おやつも果物ではなく、ナッツにすることをお勧めします。 加えて、トイレでいきむとき骨盤底筋に負荷がかかります。これも繰り返すことでUI(尿もれ)の一因になるので、慢性的な便秘がある人は食物繊維を含む食べ物を多く取るといいでしょう。特に海藻類は糖質量も少なく、食物繊維が豊富です。

食品による糖質量

尿失禁のタイプを知り、UI(尿もれ)対策を

ここまでお話ししたUI(尿もれ)を予防する生活習慣と併せて、前回お伝えした骨盤底筋トレーニングや膀胱トレーニングを組み合わせることでさらなる改善が期待できます。そのためには、自分のUI(尿もれ)が「腹圧性尿失禁」なのか、「切迫性尿失禁」なのかをご自身なりに判断していただきたいと私は考えています。 笑ったり、重い物を持ったり、力が入った瞬間に起こりやすいUI(尿もれ)が「腹圧性尿失禁」です。またスポーツの秋ということで、運動を楽しんでいたらUI(尿もれ)が…という場合も、「腹圧性尿失禁」の可能性が高いです。一方、冷たい水に触れたり、水がちょろちょろと流れる音を聞いたり、といった尿を連想するような状況などで、急な尿意に襲われてUI(尿もれ)を起こしてしまうのが、「切迫性尿失禁」です。